建物に使用されている基材への塗装の目的は、一般塗装と同様に基材表面の保護、美観向上が挙げられます。基材として考えられるのは、コンクリート、モルタル、プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板、ガラス繊維強化コンクリート板、各種ボード類、各種金属類(鉄・アルミニウム合金・亜鉛めっき・ステンレス)などです。
その他、最近では、基材の耐久性やシックハウス症候群や大気汚染防止に対応する環境配慮型塗料の開発で各種機能(調湿・低汚染・抗菌・遮熱など)付与が可能となってきています。
ただ、このような目的を達成させるためには、塗装の設計段階から十分な検討が必要です。基本的な設計段階で考慮すべき項目として、次のようなものが考えられます。
塗料品種・塗装系の選定(素材の種類、耐用年数、環境汚染・安全性など)、塗装方法の選定(足場、工期・時期、被装物の面積など)、経済性(耐用年数、施工費、保全コスト、塗料価格など)、素地調整の決定(被装物の形状、塗料品種、塗装工程など)、塗膜厚(品種、使用料、塗り回数など)、塗装工程(構造形式、塗装系、塗装間隔など)です。