英会話学習に「挫折」は付き物ですが、挑戦と挫折とを繰り返す人には何が足りないのでしょうか。実は留学経験があったり、海外に住んだりする人の中にも、流暢に話せない方はたくさんいます。「国内留学組」ともなると尚更そうで、時間とお金をそれほどかけずにマスターする人と、挫折を繰り返す人とにはっきりと分かれます。両者の差は一体何なのでしょうか。
挫折する人はモチベーションを保てない人だと安易に考えがちですが、その認識は危険です。英語に触れる習慣が堅固なものになるまで、モチベーションが波を打たない人は皆無です。大切なのは「モチベーションは必ず下がる」という心得であり、目標が揺らいだ時でさえ取り続けるべき行動の分量を正しく把握することです。最初の計画は強気に立てることがほとんどなので、習慣にすべきだと考える学習分量が本来の自分のキャパシティを超えがちです。「本来の自分」は「目標が揺らいだ時の自分」だとお考え下さい。「目標を達成できなくてもまあよいか」と思い始めた時でさえ、習慣として学習するのが苦にならない分量でなければなりません。
最初に「1時間」と計画を立てる人は「5分」、「次回までに1冊」と意気込む人は「数ページ」に修正した方がよいかもしれません。ハードルを下げ過ぎではないのかと思われるかもしれませんが、分量が下がると学習法の幅も広がります。例えば一日に複数の英文を覚えようとすれば、常に紙面やスマホの画面と向き合わなければなりません。手が塞がります。しかし一文だけなら頭の中でリピートすれば良く、ハンズフリーで対応できるのです。勉強時間も同様で、1時間などと分量を決めた瞬間に「通勤時間の5分を利用する」という選択肢が頭の中から抜け落ちてしまいます。
