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お金を借りる理由は、個々人、様々です。借りる時は、神さまのように見えていた賃金業者が、返済時には、鬼のような形相に見えると言った人もいました。お金を借りることは、様々なトラブルを生み出しますが、様々なチャンスを人々に与える機会でもあります。お金の貸し借りは、時代や世の中を巡りめぐって、様々な人間模様を生み出します。過払い金の存在もその一つでしょうか?

以前、資産整理の相談を行う為、弁護士事務所を訪れたご高齢の御婦人が、過払い金の存在を弁護士から告げられ、賃金業者に還付請求するよう、アドバイスされたそうです。すると御婦人は、過払い金について知らないという返答をしたので、弁護士は、その場で、過払い金の細かな計算を行い、具体的な数字を御婦人に見せたそうです。

長年の借金返済によって高額な過払い金が発生しているので、過払い金の還付請求を賃金業者に行いましょうと、御婦人に提案すると、御婦人は黙ったまま、首を縦に振りません。

過払い金とは、賃金業者に、払い過ぎてしまった利子の事で、きちんと請求すれば、数百万の過払い金が、御婦人の手元に戻る旨を説明しますが、御婦人は、亡くなった夫がこさえた借金を完済できたのだから、それで良いと言います。

弁護士は、ムキになって、御婦人に、その御主人と御婦人が、血眼になって汗水垂らして働いて借金の返済を行った結果、賃金業者に利子を払い過ぎていたのですから、現在は、その過払い金の金利も請求することができるのです。御夫婦が、長年に渡って勤勉に働かれた証が、過払い金のとなって現れたのです。是非、請求させて下さい!とお願いすると、御婦人はやっと口を開きました。

「私と夫が、借金をしたのは商売に失敗した身から出た錆です。親戚中を周り、お金の工面をお願いしましたが、誰も相手にしてくれませんでした。そんな時に、私達に、お金を貸してくれた業者さんが居てくれたお陰で今日があるのです。当時は業者様を仏様と思い、毎晩寝る時は、賃金業者のある方向には、脚を向けて寝ないよう、一礼してから就寝したものです。お金を借りるとは、そういう事です。私達は、全てを納得をして借りたのです。少し高めの金利は、御恩返しと思っています。私と亡き夫は、過払い金を請求しません。」

その返答を聞いた弁護士は、御婦人の気持ちを察し、それ以上は、過払い金について話す事を辞めたそうです。お金を借りる時には、皆、何かしらの事情があります。

  

借りる側、貸す側、双方の契約書、借用書が存在し、お互いが納得することで、借入が成立します。過払い金は、グレーゾーン金利として、債務者を苦しめてきた事は、確かですが、御婦人は、その苦しみさえも受け入れて長年に渡り、借金を返済してきたのでしょう。相当な覚悟をもって、御商売をされてきたのだと、弁護士は悟ったそうです。

過払い金の請求は、債務者の権利であります。不当な賃金業者の和解案を受け入れる必要はありません。そう言いきる弁護士ではありますが、その日、弁護士事務所を訪れた御婦人の生きざまには、何か背筋が伸びるような思いがしましたと、その日の出来事を語ってくれました。

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