私たちは毎日ゴミを捨てています。しかし捨てた後のゴミの行き先や、そこにたどり着くまでのプロセスを知っている人は少ないでしょう。ゴミの収集業者が街中をトラックで駆け回り、集積所から運び出しているのは目にしますが、その後の処理方法がどうなっているのかに関心を持つ人はあまりいないのです。多くの人が想像するのは、「最終的にゴミは焼かれる」「不燃ごみは埋め立てられる」といったものですが、実はそれだけではありません。
廃品には再生の可能な、いわば資源となり得るものがあり、法に従って各種専門業者の手に渡ります。そして最終的に、資源、商品に生まれ変わっているのです。例えば子どもの頃にチリ紙交換を経験した大人は多いでしょう。あの「チリ紙」も、段ボールや瓶と同様、回収してもらった時に少額の対価を得たはずです。その対価の意味がお分かりいただけたと思います。 廃品回収する業者が、よく軽トラで巡回しているのを見かけます。いずれのトラックも拡声器を車の頭頂部に取り付け、大音量で回収に来たことを知らせます。ただそれらの業者が法に則っているとは限りません。
通常、粗大ゴミの回収を生業とする場合、自治体に申し出て収集運搬許可をもらう必要があります。ほとんどの大音量トラックはこの許可を得ていないと言われており、消費者としては注意しなければなりません。彼らは「無料回収」を誘い文句にしていますが、結局料金を請求するケースが後を絶ちません。また、回収した廃品は適法に処理しなければなりませんが、不法投棄で差額をせしめる業者も珍しくありません。家電リサイクル法は洗濯機や冷蔵庫の回収、処理方法を細かく規定していますが、違法業者が遵守するはずもなく、自治体や国民生活センターも頭を悩ませています。
